自分より、背も低くて力もよわく、とうていかないやしないくせに、威勢だけはやたらとよく、ことあるごとに紫原にしたらけんかを売ってくる黒子が、紫原にはよくわからなかった。その威勢だかなんだかをひねりつぶしてやりたいという攻撃性にかられることもしばしば。にもかかわらず、黒子はひるみもせず、まなざしをまっすぐにむけてくるから、どうだ。そこでやはり自分は、ひねりつぶしてやりたい、ということばをつかうのだが、あるとき、なにか違うのではないかと、はた、おもった。
部活の練習のさなか、その激しい運動のために汗だくになって声も吐く荒い息に消えるときでさえ、黒子の目が、かすみも濁りもせずに、すうっとすきとおっているのを目にして、これはいったいなんだとおもった。
たぶん、ほんとうは焦がれていたのだろう。認めたくはなかったけれども。
黒子のひたむきな姿勢、ひいては在り方に。
バスケというスポーツ、部活を通じての付き合いだったが、それだけでおわらないなにかを、自分は、黒子に、見た。 それにうすうす感づいてしまったら、もう頭ごなしに黒子を否定することができなくなってしまった。なぜなら知ってしまった。紫原は、黒子が好きなのだ。
自分はお菓子が好きで、四六時中くちにしているが、それとどうちがっているかはわからない。
しかし、わからない、としている自分は、そういえば四六時中黒子のことを、かんがえて、いるのだ。これはなにやら、はずかしい。でも、わるくもない気分だ。
こんど一緒にお菓子をたべてみようとおもう。想像するに、やはり気分はわるくない。
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言い得て奇妙のしゃこ様からいただいた作品です。
恋を自覚し始めた紫原くんの心情がなんだかとっても微笑ましい!
恋とはどういうものかしら?といった感がなんとも甘酸っぱく、ジュブナイルな爽やか気分にさせられます!
黒子くんのすきとおった目に魅了された紫原くん...その恋を応援せずにはいられません...!
しゃこ様、素晴らしいお話をどうもありがとうございました!すっごく萌えました...!
2013.4